九州大学工学部が実施している
6つの群区分による一般選抜入試。
学科を決めて受験する総合型選抜を含め、
先輩方が自らの入試経験を振り返ります。
Ⅰ群2年
(福岡県朝倉高校出身)
Ⅰ群2年
(福岡県明善高校出身)
Ⅵ群→Ⅱ群2年
(岐阜県多治見北高校出身)
Ⅱ群2年
(三重県四日市高校出身)
Ⅲ群2年
(福岡県修猷館高校出身)
Ⅲ群2年
(広島県広島中等教育学校
出身)
※総合型選抜
Ⅳ群2年
(北海道札幌西高校出身)
Ⅴ群2年
(広島県広島高校出身)
※総合型選抜
Ⅴ群2年
(香川県坂出高校出身)
※総合型選抜
Ⅵ群→Ⅲ群2年
(福岡県福岡高校出身)
Ⅵ群→Ⅴ群2年
(愛知県旭丘高校出身)
山本:まずは皆さんが九州大学工学部を受験するにあたって、どのような点に注目して現在の群や学部を選んだのかを教えてください。Ⅰ群から順にお一人ずつお願いします。
照屋:私は中学校、高校の授業でプログラミングの楽しさを学びました。Ⅰ群はプログラミングやその基本となるアルゴリズム論を学べる計算機工学コースに進むことができると知って受験しようと思いました。
綿谷:私は高校の授業で有機化学に興味を持って、物質科学がメインのⅡ群を選びました。特に高分子関係は身近な材料に使われているので、それを学んでいきたいと思っています。
永安:私は総合型選抜で受験したのですが、融合基礎工学科は新しくできた学科ということで興味を持ちました。学科の内容として1つの分野ではなくいろいろな分野を総合的に学べる点と、データ解析のプログラミングも学べる点で選びました。
山本:総合型選抜を選んだ理由はありますか。
永安:高校の授業の一環で何か1つ探究活動をするということがあり、その際の探究で先生が「この探究の実績で総合型選抜に出願してみたら」と勧めてくださったのがきっかけで総合型選抜を受けてみようかなと思いました。融合基礎工学科なら研究の内容も生かせると思いました。
坂入:私は資源に興味があったのですが、資源の研究を行っている総合大学になると北海道大学と秋田大学、九州大学くらいしかなく、その中でも九州大学は資源のリサイクルに強くて資源の分野では世界的に見て研究の実績があると知って選びました。
髙田:私は総合型選抜で建築学科を選びました。理由の1つとして、九州大学の建築学科の研究室が行っている熊本地震復興支援に関わるプロジェクトの存在を知ったことがあります。私の出身地である広島でも豪雨被害などがあって、もともと被災地復興に興味がありました。その研究室では1/1スケールで実際に建物を作るという他の大学にはないこともやっているなど、アウトプットする機会が多いことに魅力を感じました。
藤本:結果的に工学部に入りましたが、大学を受験するにあたっては工学部以外に農学部や理学部も選択肢にいれて悩んでいて、ちゃんとわかっていない段階で決めてしまうのも違うなと思っていました。Ⅵ群であれば基礎を学びながら1年間選択を保留できるとあって、Ⅵ群に決めました。
山本:Ⅵ群は、学部の意図としても「入ってからじっくり考えてください」という考えがあるわけですが、実際には入るのにセレクションがあって、2年目の群配属でまたセレクションがあるという厳しさがありますが、その点はいかがですか。
藤本:それほど厳しいとは思わなかったです。(新配属の)群を選ぶときにネットとかを使って自分で学科の内容を調べるにも限界があるので、Ⅵ群で研究室の紹介イベントを用意してくれたのはありがたかったですね。
山本:1年目は群や学科に関係なく、主に工学部共通教育科目を受ける形となりますが、その中で印象に残ったことやおもしろかったことを教えてください。
山崎:1年生では専門から離れた授業が多いですが、特に基幹教育セミナーは他の授業とは違って印象的でした。学部の隔てなく受けるので、いろいろな学部の人とも交流できましたし、学部の違いで考え方も変わるのだなと思いました。将来やりたいことをプレゼンする際には、改めて自分の将来を見つめ直し、自分の考えを固める機会を持つことができました。
大矢:私は岐阜県出身で、こちらに来ても誰一人知り合いがいない状態でした。新しいことにも挑戦したいと思って積極的に動いてきました。おかげで多くの人と知り合えたことが一番楽しかったです。いろいろな地方の方言もとても新鮮に感じています。勉強の面では、第2外国語でロシア語を選択したこと。人数が少ない中で先生がしっかりと教えてくださって、選択して良かったと感じています。
井上:いろいろな教授の研究内容を学べる先端技術入門という授業が印象に残っています。半導体のような小さなものから宇宙の輸送システムまで、工学部の幅広さを知ることができました。
山本:工学部は本当に幅が広いので、自分が所属する群や学科に限らず、いろいろな先生方の研究を調べてみることをお勧めします。「ああ、こういう世界もあるんだ」という発見がきっとあると思います。
碓井:専門分野でいえば、大学院修士課程の先輩のお手伝いに行ったことが一番印象に残っています。その先輩は竹の建築を研究されていて、竹の話や建築に関する考え方などを聞いているうちに建築への興味が一層強くなりました。先輩に頼まれたことをきっかけに依頼を受けて家具を作っているのですが、1/1スケールでモノを作る楽しさに気づけたことが一番のできごとでした。
加藤:もともとⅥ群でいろいろな分野の研究に興味があったのですが、総合科目の中で航空宇宙工学科の先生が開講されている「望遠鏡で見る宇宙環境」が印象的でした。私は人工衛星を観測する班に所属していたのですが、自分たちでスケジュールを組んで中国の宇宙ステーションを望遠鏡を使って撮影する実習をやりました。なかなかうまくいかなかったのですが、同じ班の優秀な学生さんに刺激を受けました。
山本:ここまでの学びを経て、工学に関する意識や考え方に何か変化はありましたか?
照屋:先ほども話に出た先端技術入門という講義で、工学のさまざまな分野には密接な関わりがあるのだなと感じました。高校生の時はそれなりの関わりはあるのだろうなと思っていましたが、大学に入って先端技術を学んでみると想像以上に関わりが深いことがわかりました。
綿谷:この1年で工学は想像以上に幅広い学問があるということを知りました。Ⅱ群だけでも材料工学科、応用化学科(機能物質化学コースと分子生命工学コース)、化学工学科、融合基礎工学科と多くの学科があり、学科によって学ぶことも違うので学科選択が大事だなと感じています。高分子系を学びたいと思っていますが、今は他のいろいろな分野にも興味を持っています。
永安:最初から融合基礎工学科を希望して入学したこともあって、他の群のことを知らなかったのですが、先端技術入門を通して他の学科でどのような研究が行われているのかを知ることができて良かったと思っています。高校時代は、大学に入っても研究室に配属されるまで専門的な研究を体験できないと思っていましたが、1年生の時から融合基礎工学科の研究室訪問で設備や研究体験をさせていただけました。
山本:1年生では基幹教育がメインで「工学部を志望したのに関係のない授業が多くてモチベーションが下がってしまった」とならないように、早くから研究室訪問でやっていることを理解してもらえるようにしています。もちろん、基幹教育の基礎科目も今後の研究のためには大事な授業ですけどね。
坂入:私は高校の時から近くにあった北海道大学の研究室に行ったりしていたので、この1年で大きくイメージが変わったということはありません。ただ、先端技術入門で農学や医学など他の分野との関わりに興味を持つことができました。
山本:北海道大学とは資源分野でも共同研究を行ったりしていますが、どうしてご出身地近くの北海道大学ではなく、遠くの九州大学を選んでくれたのですか。
坂入:九州大学はこれまでの研究の実績があったのと、雪がないところに行きたかったからです(笑)。
髙田:私が選んだ建築学科は大学院に進むと工学府ではなくて人間環境学府に属することになります。建築というのは設計やデザインという工学分野だけではなく、利用する人の心情を読み解く心理学的な面も大事であるという点が新たな発見でした。
山本:九州大学の建築学科の大学院は人間環境学府という、どちらかといえば文系的な位置づけになります。そういった文理融合的な側面もおもしろいと思うのでしっかり学んでくださいね。
加藤:Ⅵ群に入った理由はモノづくりに興味があったからなのですが、先端技術入門や学科紹介イベントでいろいろな分野の研究内容を知ることができたことがこの1年での大きな変化ですね。
山本:総合型選抜以外の皆さんは2年の後半から学科やコースの希望を決めることになりますが、実際に希望する学科・コースをどのように決めたのか、どうしてそれを希望するのかを教えてください。
山崎:Ⅰ群は電気情報工学科1つなので、2年生に上がる段階でコース分けがあります。情報系の計算機工学コース、通信系の電子通信工学コース、電気系の電気電子工学コースうち、自分はどれをやりたいのか悩みました。今でも情報に興味はありますが、1年生の前期に研究室を周る機会があって通信の研究室ですでに6Gのことを研究していたりするのを見て、通信系をやってみたいなと思いました。
山本:私も長年ロボットの研究をしていますが、通信工学もロボットには欠かせない要素です。私は通信の最先端にはついていけませんが(笑)、ぜひおもしろい研究に挑戦してくださいね。
大矢:現在は応用化学科の機能物質化学コースを希望しています。理由は、化学が好きで特に有機化学に興味があるからです。しかし、今、授業で受けている工学概論や実験の安全性を考える安全学で各学科・コースの紹介を聞く機会も多く、どれもおもしろそうだなと思ってはっきりと決め切れていないというのが正直なところです。
山本:九州大学からはまだノーベル賞を獲った先生は出てきていないのですが、ノーベル賞を獲るとすれば化学系が最も近いだろうと言われています。日本のノーベル賞受賞者は半分以上が工学系なので、皆さんも頑張っていただいて将来のノーベル賞を目指していただきたいと思っています。
井上:Ⅲ群は機械工学科と航空宇宙工学科と量子物理工学科がありますが、僕は受験時にはどのコースに行きたいというのはありませんでした。1年間学んできて、いろいろな先生方や先輩方の話を聞いて、今は航空宇宙工学科に行きたいなと思っています。小さい頃から飛行機とかが好きだったので、空を飛ぶモノを作ったりジェットエンジンの設計に関われたらなと思っています。
坂入:私は地球資源システム工学科に行きたくて九州大学に来ました。言い方は悪いかもしれませんが、資源は稼げそうだな、と(笑)。今、SDGsとか叫ばれていますが、エネルギーを使うには資源が必要ですから効率的な資源の使い方を考えたいですし、地球資源システム工学科の研究室では資源リサイクルの研究を行っているので、そういった方向を希望しています。
山本:では続いて、最初から学科を希望して総合型選抜で受験した方、その学科を選んだ理由を教えてください。
永安:さまざまな分野を総合的に学べるということで融合基礎工学科を選びましたが、学科の研究室には航空機のエンジンの実験を行っているところもあり、私は高校の時に燃料の燃焼に関する研究や実験をやったこともあったので、それが生かせればいいなと思いました。Ⅲ群は入った後も大変で、学科選択の際のGPA(成績評価制度)の位置とかも関係するので、先に学科を選べていれば少しはゆとりを持っていろいろなことに挑戦できるかなと思いました。
碓井:建築学科を選んだ理由としては、小さい頃からモノづくりに興味があって気づいたら建築学科に行こうと決めていました。ただ、入試準備をするにあたってもデザインをやりたいのか、構造をやりたいのか、設備をやりたいのかが決められず、九州大学の建築学科ならどの分野も学べると思って選びました。総合型選抜にしたのは持病があって中学・高校にほとんど通えず、学力面だけではは不安があったからです。学校に行けなかった間にイラストやスケッチ、モデリングをやっていたので、総合型選抜なら建築に対する思いと養った画力や企画力を生かせるだろうと思いました。
山本:九州大学の建築系には芸術工学部の環境設計学科もありますが、どうして工学部の建築学科にしたのですか。
碓井:芸術工学部も少し考えましたが、入試の段階では構造系への興味が強かったので工学部の方を選びました。
髙田:昔からモノづくりが好きで、子どもの頃からレゴブロックで家を作っていました。高校生の時の英語の授業で、ある建築家の方のことを取り上げていて、震災復興の仮設住宅を設計している話がありました。建築家として震災復興に関われたらいいなと思い、九州大学には熊本地震復興支援に関わるプロジェクトがあることも知って建築学科を選びました。
山本:それではⅥ群で入試を受けた方にお聞きします。1年修了時に現在の群を選んだ理由を教えてください。
藤本:私は群選択でⅢ群を選びましたが、最後までⅡ群とどちらにするか迷いました。もともと水素に興味があったこと、どちらかといえば化学よりも物理が好きだったのでⅢ群にしました。もう1回選び直せるとしたら、また迷ってしまうと思います(笑)。
加藤:私はモノづくりとか設計に興味があったので、機械系か航空宇宙系、建築系で迷いました。高校生の時のフィールドワークで建築に関する研究をしていたこともあって、大学でもそれを続けられたらと思って建築学科のⅤ群を選びました。先ほど、髙田君が言っていたように人間環境学府に進めることもあって、人間の心理や文化・環境面を考慮して設計することが求められる建築学の奥深さにも興味を持ちました。
大矢:一番大きいのは化学が好きということです。自分は入学時にⅠ群、Ⅱ群、Ⅲ群で悩んでいて、Ⅰ群のプログラミング系もかっこいいなと思っていましたし、Ⅲ群の宇宙系にも興味がありました。実際に入学して1年間活動してみると、授業以外でもいろいろなことに挑戦できるなと思いました。宇宙系ならPLANET-Qというサークルでロケットのことを勉強できるし、大学生なら自分の時間を調整してプログラミングにも挑戦できる。そう考えるとコースを決めたらそれしかできないという固定観念が少し和らいで、群選択では自分が好きなことをやりたいと思ってⅡ群の化学系に決めました。
山本:今、大矢さんに言ってもらったように、群や学科という枠にとらわれず、研究室単位でも他の分野と結びついていることがたくさんあります。むしろ、他分野と結びついたことを勉強せざるを得ないと言った方がいいかもしれません。簡単な話、大学に入った後でも学科やコースを決めた後でも、好きなことを学ぶチャンスはいっぱいあるので、ぜひチャレンジしてほしいと思います。私がやっているロボット工学も最近では医学系の先生方と一緒に研究をやっています。整形の先生と歩行関係のロボットの研究を続けているので、工学系だけでなく神経生理学や運動生理学など医学関係の勉強もしています。
山本:受験生が興味を持つと思われる受験勉強関係の話題にも触れておきましょう。みなさんが九州大学工学部を目指して、どのような勉強をしてきたのか教えてください。
照屋:個別試験での配点は理系科目が中心なので、理系科目を重視して勉強しました。定期テスト前に学校で使われていた問題集を繰り返し解いて基礎を身につけました。わからない問題に出会ったら、わからない原因をしっかりと突き止めて問題を解く努力をしてきました。難しい問題は基本問題の積み重ねですから、まずは基本をしっかり身につけることが大切だと思います。
綿谷:私は高2の秋まで部活をやっていて、そこから受験勉強を始めました。共通模試ごとに目標を立てて結果を見てできなかった部分を分析して復習してきました。授業を聞いているだけでは解けないことも多くて、演習を多くすることを意識してきました。
井上:僕は塾にも行っていたので、学校の授業で習ったことや演習を放課後にしっかりと復習して、それから塾に行くということを繰り返してきました。大学受験の難しい問題はひらめきで解けるような人間ではないので、一度やった問題は間違わないようにしようと思って復習に力を入れてやってきました。
坂入:私は一浪して入ったのですが、個別試験の対策に重きを置いてきました。
山本:入試の問題、特に個別試験の問題は「こういうことを勉強して九州大学に入ってきてほしい」という我々の意思表示でもあります。
加藤:高校生の時は3年の夏まで部活をやっていて、その後も文化祭とかに関わったこともあって結果的に浪人してしまいました。量をこなすためには、1週間を1つの区切りに月曜から土曜までやることを決めて、やり残したことや理解が足りない単元を日曜にやっていました。そうした毎日の積み重ねを大事にしてきました。
藤本:高校の先生がすごく丁寧な先生ばかりで課題のプリントばかりやっていました。試験に関係ない部分、例えば発見した学者の苦労話を調べてモチベーションにするとか、模範解答を自分の解答と比べて模範解答の方がスマートだったら「おお、賢い、賢い」と褒めたりしていました(笑)。
山本:そうしたモチベーションの上げ方も大事ですよね。それでは九州大学工学部を目指す高校生の皆さんに勉強以外のアドバイスなどがあれば教えてください。
山崎:私がどの大学を受験しようかと考える時に、日本全国の大学のホームページを見て研究室の内容を重視しました。大学に入る前から「自分はこういう勉強がしたい」と決まっているのであれば「この先生のもとで勉強したい」と思えるくらいに細かく調べてみることもいいと思います。
大矢:群選びをしっかり考えることが大事だと思います。自分も一浪しているのですが、高校在学中に模試のコードが急に学科から群になって「なんだこれ?」と思いました。当時はこれほど化学が好きになるとは思ってもいなくて、漠然と機械航空系に行こうと現役時は後期でⅢ群を受け、入学するか迷いましたがもう1年勉強を頑張ると決め、その後Ⅵ群のことを知りました。Ⅵ群に入ったことで、今こうして化学中心のⅡ群という選択肢に来られているので、群についてしっかり調べることをお勧めしたいです。
井上:僕は高1の時から漠然とではありますが「Ⅲ群がいいな」と思っていたので、それに向けて勉強することができました。早い段階からホームページをしっかりと見て、自分がやりたいことを決めることが大事だと思います。
碓井:山崎さんが言ったように、私は建築学科を受けるにあたって研究室のことをかなり調べて「この先生のこの研究はおもしろそうだな」というのをいくつかピックアップしました。研究室や行きたい先をある程度考えておくというのはモチベーションにも繋がると思います。
藤本:入試には必ず選択が必要ですが、選択した後には後悔がついてくると思うし、選択に悩んでいる人ほど後悔は出てくると思います。でも「選択を間違ったかな」という後悔に引っ張られるのは良くないと思います。僕はⅥ群に入って、2年目の群選択でⅠ群からⅤ群までずいぶんと悩みました。5つの選択肢から1つを選ぶと4つを捨てることになるので後悔が出てくるのは当然のこと。でも、後悔に引っ張られることがないように自分が選んだ道に自信を持ってほしいと思います。
山本:では最後に皆さんの将来の夢を聞かせてください。
照屋:昔からプログラミングが好きなので、プログラミングを活かせる仕事に就きたいと思っています。人工知能に興味を持ち始めているのでプログラミングで人工知能を生み出す仕事ができればいいなと考えています。
山崎:今は興味がある分野が2つあって、1つはセキュリティでもう1つが通信です。どちらも社会の基盤になる分野なので、そういった仕事に就きたいと思っています。
大矢:まだ学科も決めていない状態ですが、化学系に携わりたい気持ちは変わりません。まだ研究職に進むか就職するかも決め切れていないので焦る気持ちもありますが、逆に考えれば「今なら何でも選べる」ということなので、やりたいことをやりつつ自分の行きたい道を探していければと思っています。
綿谷:具体的な夢はありませんが、工学部なので住みやすい社会になるようなモノづくりに関わる仕事をしたいです。
井上:私は宇宙開発に関わる仕事に就きたいと思っています。最近一番興味があるのがロケットエンジンで、実際にサークル活動で設計の勉強もやっています。いつか自分が作ったエンジンでロケットが打ち上げられたらいいなと思います。
永安:私は航空機に関連する仕事がしたいです。もともと航空機エンジン開発の研究がしたくて九州大学を選んだので、将来は環境に優しい航空機エンジンの製作に関わりたいと思っています。
坂入:私の夢は大学で研究をしている父を超えるような研究者になることです。日本は資源が取れないので資源の再利用に関する研究を行ってSDGsを達成して住みやすい社会を作っていきたいです。
髙田:建築家の視点で震災復興のまちづくりに携わっていきたいです。もう1つは竹の建築です。竹を使った建築は東南アジアに多いのですが、日本は構造物として竹を使うことがないので、竹を構造物として使った建築を学んでいきたいと思っています。
碓井:建築系でも意匠系に興味があるので、大学院も意匠系に進学したいと思っています。その後は企業に就職して実務経験を積み、将来的には地元に帰って独立したいと考えています。建物と人の関わり、依頼主がどれだけ心地よく感じることができるかを考えながら建築していきたいです。
藤本:目の前の学科選択で目一杯なので将来のことはまだ考えきれないのですが(笑)、今はSDGsと言いながらも、例えば太陽光電池にレアアースを使ったりしていて全然サスティナブルじゃないと思います。もっとその辺で取れるモノで開発できるように材料面から考えていけたらいいなと思います。
加藤:私は宇宙ステーションとか有人宇宙開発に興味があって、空間があってそこに人がいる以上、建築士として関わることができると思っています。学部生のうちに専門の勉強が進んできたら宇宙建築というコンペに挑戦してみたいと思っています。
山本:ありがとうございます。今回の皆さんのお話は、九州大学工学部を目指す高校生にとってきっと有意義なものになったと思います。