住宅から都市に至る人間の多様な生活に密着した空間を造り出す建築家や技術者、研究者を養成
建築は使いやすく快適で、美しくて、しかも丈夫でなければなりません。建築学は、技術的問題から社会的・文化的問題にまで及ぶ極めて広い領域にかかわっており、建築・都市の分野に携わる者は、これらの多様な要素を総合的にまとめあげてゆく能力が必要とされます。そして、総合的な技術・知識の理解が要求されるばかりでなく、芸術的な造形能力も求められます。建築学科では、住宅から都市に至る人間の多様な生活に密着した空間をつくり出すために、建築・都市の文化を歴史的に顧みながら、建築・都市を理論的に計画し、具体的な形に設計する方法、快適・健康な環境をつくり出すための環境工学、壊れない建物をつくるための建築構造技術、建築を構成する材料とその施工技術などについて教育・研究を行っています。
本学科のカリキュラムは、建築学に関わる諸知識を体系的・理論的に学ぶための講義科目、具体的なデザイン手法を習得するための設計演習科目、専門的知識を体得するための演習・実験科目などがバランスよく組み込まれ、充実した内容となっています、このような教育を通じて、工学的技術や建築文化についての幅広い教養を修得し、国際社会の第一線で活躍する建築家や技術者、研究者を養成します。
2023年
人間環境学府都市デザイン専攻 修士1年
古川 翔 さん
岡山大安寺中等教育学校(岡山県)出身
Q1 あなたが九州大学工学部および在籍している学科を選んだ理由を教えてください。
祖父が建築関係の仕事をしていたこともあり、幼いことから、ものづくりへの興味がありました。そのような背景を持ちながら、高校生の時に、進路について考えた時に、理系学科の中で実験室の中で実験をするよりも、実際に手を動かして何かを作成することや地図に残るようなものを作りたいとという思いが強かったため建築学科に決めました。
Q2 あなたが在籍している学科について、どのような点に魅力を感じていますか?
建築学科には、幅広い分野が存在している点に魅力を感じています。名前が建築学科であるため、入学当初は建物についてのみ学ぶと考えていましたが、意匠や構造、環境に加え、都市計画やまちづくりの分野の先生方も多く在籍しており、より広域の分野についても触れる機会が多くありました。これにより、自身の建築への視点を増やしてくれただけでなく、入学時には全く考えていなかった都市デザイン、まちづくりの企画などを行うことに興味をもつことにつながりました。
Q3 あなたが所属する研究室名、そこで行っている研究内容について高校生にわかるように教えてください。
都市に多く乱立するビルや住宅などの単一の建物について考えるのではなく、複数の建物によって生まれる集合体やその周りを取り囲む公共空間のあり方について研究しています。研究の際には、都市の地形や歴史、実際に都市で過ごす人々の活動などの様々な視点から今後あるべき都市の姿を考えています。実際に都市の中で活動することに重きをおいて、肌で感じた課題に対して探求したり、社会実験を通して解決方法を考えています。
Q4 将来の夢を教えてください。
まちづくりを主なフィールドとしたいと考えていますが、一般的なまちづくりのとは少し異なり、小さなまちの接点を点在させ、そこを活用する人々と関わりをもつことが夢です。具体的には人と人の繋がる空間を設計し、その空間を維持するために企画まで含めたデザインを行いたいと考えています。そのデザインとは、建築の空間として興味を惹かれるデザインではなく、その場を使い続けることで生まれる愛着や居心地の良さに繋がるデザインであり、それは何かを追い求めたいです。