世界をフィールドとした地球資源エンジニアへの扉
地球資源システム工学科は、私たちの現代生活を支える鉱物・エネルギー資源開発に関わる、地球規模の様々な課題に取り組んでいます。私たちの研究は、鉱物、地熱、石油、天然ガスなどの地下資源の探査、開発、採掘、精製分離、環境再生、防災に及び、資源開発の上流から下流までの全過程を網羅する研究室を擁しています。また従来の資源工学を超え、二酸化炭素の地中貯留、メタンハイドレートや深海底資源の開発、都市鉱山資源のリサイクル、金属汚染環境の修復、さらには月や火星など地球外資源探査に関する研究にも取り組んでいます。
これらの資源は、私たちの生活に欠かせないだけでなく、あらゆる産業の基盤を成すものであり、当学科で幅広い専門知識を身につけた皆さんは、世界をフィールドとした地球資源エンジニアとして社会に巣立ちます。
3年次には、国内外の関連企業でインターンシップを行い、フィールドワークを通じて、鉱物・エネルギー資源関連技術の貴重な実地体験を行います。研究室では、多様な留学生との日常的な交流やディスカッションを通じて、国際感覚を養いながら卒業研究に取り組みます。本学科における学習・研究は分野横断型の総合工学的アプローチや国際交流を特徴とするため、自発的・主体的な学習姿勢が欠かせません。当学科で挑戦を続ける学生には、世界での活躍への扉が開かれています。
2023年
工学府地球環境工学専攻 修士1年
石井 琢真 さん
筑紫丘高校(福岡県)出身
Q1 あなたが九州大学工学部および在籍している学科を選んだ理由を教えてください。
進学先を考える時期に将来やりたいことや関わりたい分野が全く決まっていなかったので、実家からそれほど遠くない範囲で、少しでも自分の将来の可能性を広げられるような選択をしようと考え、九州大学を選びました。学科に関しては、兄が地球環境工学科に在籍している姿を見て、イメージしやすかったので選びました。
Q2 あなたが在籍している学科について、どのような点に魅力を感じていますか?
1番の魅力は3年生の夏季にあるインターンシップだと思います。通常、インターンシップは自ら個人的に参加することが多いように思いますが、本学科では、授業の一環としてインターンシップが計画されており、学校側が提示してくださる研究所や企業などから自分の行きたいところを選べるようになっています。私たちは、コロナの影響で行けませんでしたが、例年選択肢には海外も含まれており、そこは更なる魅力だと思います。
Q3 あなたが所属する研究室名、そこで行っている研究内容について高校生にわかるように教えてください。
月や火星にある資源の開発に関する研究をしています。資源を開発するには地面に穴を掘る必要がありますが、その際、地球では砕かれた岩石などを除去するためにいくつかの薬剤を混ぜた水を用いています。月や火星では水の利用が制限されると考えられ、重力が小さい分、ドリルを地面に押さえつける力が小さくなって掘る力が弱まってしまいます。それに加えて、地球より機械を動かすためのエネルギーを得るのが難しいと考えられます。このような課題がある中で、より効率的に月面や火星面を掘る方法を考える研究をしています。
Q4 将来の夢を教えてください。
将来は大学で学んだことを少しでも活かせるよう、資源に関わる職に就きたいと考えています。また、留学する予定なので、その経験を通して異国の文化を受け入れる心構えや外国人とのコミュニケーションを学び、外国との関係が切っても切り離せない我が国の資源分野での活躍に繋げたいと考えています。