応用化学科[II群]

化学で人の暮らしを豊かにし、持続可能な社会の構築に資する学問を追究

応用化学科

応用化学は物質を自在に設計し、新しい機能と価値を創造する学問です。多様な分野と融合しながら、社会を支える学問として益々発展しています。本学科は機能物質化学コースと分子生命工学コースで構成されており、化学の分野を網羅する基礎科目に加えて、世界トップクラスの研究成果を生み出す教育・研究環境を整え、実践力、表現力や提案力を磨く充実したカリキュラムを用意しています。機能物質化学コースでは主に高分子材料・無機材料・有機材料を用いる触媒材料、複合素材、エレクトロニクス、ナノデバイスおよびそれらを支える理論解析を研究し、分子生命工学コースでは有機材料、分子集積材料、エネルギー材料、バイオテクノロジーやヘルスケア、マテリアルズインフォマティクスを研究しています。

応用化学科学士課程では両コース共通の科目を多く設けているのに対し、修士課程ではそれぞれの専門に応じてより最先端の科目を自らが決めて履修する目的指向型のカリキュラムとなっています。本学科では、様々な分野を幅広く俯瞰する基礎力を備えていながら、細分化された専門的な領域にも対応できる人材の育成を目指しています。卒業生は、化学分野をはじめ、バイオ・医薬、電子・情報、機械・自動車、環境・エネルギーなどの幅広い分野における専門家として活躍しています。

先輩インタビュー

2023年
工学府 応用化学科 修士2年
高橋 千晶さん
修悠館高校(福岡県)出身

Q1 あなたが九州大学工学部および在籍している学科を選んだ理由を教えてください。

私が応用化学科を選んだ理由は、化学の分野で新しいものづくりがしたかったからです。小さい頃から手を動かして何かを作ることが好きだったので、様々な物質を合成できる化学の実験に魅力を感じていました。実際に研究室に入ってから、新しい分子や反応系をデザインして試行錯誤する楽しさを感じています。応用化学科は、座学講義から研究室生活を通して、分子の世界を知るための化学を学び、新しい価値を創造することができる場所だと思います。

Q2 あなたが在籍している学科について、どのような点に魅力を感じていますか?

幅広い分野の研究室が集まっており、選択肢が豊富であるところが魅力の一つです。化学が好きだけど具体的に何がしたいかわからないという人も、講義で幅広く化学の基礎科目を学んだり、様々な研究を知ったりする中で自分のやりたいことがきっと見つかると思います。
また、私の所属する分子生命工学コースでは様々な独自の教育プログラムがあり、幅広い知識や提案力を身に付けることができます。教員からの指導が手厚く、学生を育てることを大事にしている教室だと感じます。

Q3 あなたが所属する研究室で行っている研究内容について高校生にわかるように教えてください。

カーボンニュートラルの実現に向けたエネルギー・物質変換反応の開発を行なっています。
私が取り組んでいるのは、水素を利用した新しい有機合成反応の開発です。水素の酸化還元を可逆的に触媒するヒドロゲナーゼという酵素からヒントを得て触媒をデザインし、その触媒を用いた新規反応の構築をしています。その他にも、バイオマス変換プロセスの開発、酵素触媒による二酸化炭素還元反応の構築、金属ナノ粒子を用いた光エネルギー変換系の開発などの研究テーマがあり、幅広いアプローチを持つ研究室です。

Q4 将来の夢を教えてください。

現在取り組んでいる研究をきっかけに、環境問題やエネルギー問題の解決に貢献できるような研究に携わりたいと考えるようになりました。将来、今の専門と同じ分野で研究が行えるとは限らないですが、どんな分野でも活躍できる、課題発見力と解決力を持った研究者になりたいです。